巻き起こる歓声は馬の祭りを盛り上げる
蔵が軒を連ねる通りを抜けると、突如として響き渡る蹄音に友人と顔を見合わせた。躍動する巨体が土を蹴り上げる度、地面から振動が体を駆け上がり、まるで胸の奥を直接叩かれるようだ。
向かった先は、友人と楽しんだ愛知県の馬の祭り。一度きりだと考え、芯まで刻みつけるつもりで見つめる。木製・長椅子に腰かけると、屋台から漂う焼き団子の甘じょっぱい香りが頬を撫で、懐かしい気持ちも胸に広がった。
合図出る度に、周囲から一瞬静まり返り、キリリと締まる感じ。健斗はポケットからカメラを取り出し、躍動する愛知県の馬の祭りで撮れる一コマを逃すまいと、シャッターを切り続ける。
舞台袖で待機していたスタッフ達、素早く走路を整え次へつなぐ。観客席では思わず手をつなぎ合い、迫力に圧倒されつつ釘付け状態。
終盤、ラスト走者へ巻き起こる歓声は愛知県の馬の祭り会場へこだまし、震えるほど高揚感を呼び起こす。
健斗と交わした「また来よう」という言葉は、来る前から考えれば予想外だけど、面白すぎる為に当然よね。